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今年の高校入試の結果を受け、「定員割れ」という言葉に不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。


「人気がない=教育の質が低いのでは?」という短絡的なイメージを持たれがちですが、実態は決してそうではありません。


実際、今年定員割れとなった松本美須々ヶ丘高校を例に見ると、数字上の評価とは裏腹に、卒業生たちは信州大学への現役合格や難関私大、専門職への道など、納得のいく進路を自ら切り拓いています。


なぜ今、公立高校で定員割れが起きているのか。そして、環境を活かして結果を出す子たちは何を大切にしているのか。教育現場の視点から、高校無償化時代の「後悔しない学校選び」について冷静に紐解いていきます。


1. 公立高校の「定員割れ」が起きている構造的な理由

近年、地域の伝統ある公立高校が定員割れとなるニュースが増えています。しかし、これを単純に「教育の質の低下」と結びつけるのは早計です。背景には、現代特有の構造的な要因があります。


* 高校無償化による私立志向の加速: 制度改正により、設備が新しく手厚い私立高校の普通科が、公立高校の強力な競合となりました。


* 利便性と物理的制約: 駅から遠い、あるいは通学に時間がかかるという立地条件が、今の受験生や保護者の選択に大きく影響しています。


つまり、現在の倍率は「教育内容」ではなく、「制度の変化」や「立地」という外部要因に左右されている側面が強いのが実情です。


2. ケーススタディ:松本美須々ヶ丘高校に見る「出口」の質

今年、定員割れとなった松本美須々ヶ丘高校を例に挙げてみましょう。同校は松本市北部に位置し、利便性の面では課題を抱えていますが、卒業生たちの進路実績(出口)を見ると、驚くほど多様で堅実な結果が見えてきます。


私の教え子や、当教室で講師を務めてくれた卒業生たちの事例をいくつか紹介します。

* 国立大学への戦略的進学

無理な背伸びをせず同校を選び、環境を活かして高い内申点を維持。推薦入試(総合型・学校推薦型選抜)を活用して信州大学へ現役合格し、現在は大学院で専門性を深めている例があります。

* 専門スキルの習得とキャリア形成

同校から信州大学へ進み、在学中にプログラミングスキルを磨いた学生は、大学3年時に地元銀行のシステム部門から内定を得ていました。


* 多様な専門職・難関私大への道

英検を活用した青山学院大学への進学や、長野大学から大学院を経て公認心理師として医療機関で活躍する方、また看護師や保育士として地域を支えるプロも多く輩出しています。


これらは学校が用意したレールを歩んだ結果というより、彼らがその環境を「どう使い倒したか」の結果です。

専門職を目指す高校生も多い
専門職を目指す高校生も多い

3. 「やりたいこと」がある生徒にとっての価値

実際、今年メルクから同校へ進む生徒たちは、今の状況を悲観するどころか、非常に喜んでいます。


彼らがワクワクしている理由は明確です。「部活動やスポーツに全力で打ち込みながら、大学進学もしっかり目指せる環境」があるからです。駅から離れた落ち着いた環境を逆手に取り、自分の目標に向かって時間を投資しようとしています。

これからも野球、サッカーなどに打ち込める高校生活
これからも野球、サッカーなどに打ち込める高校生活

4. まとめ:どこへ行くかよりも、どう「やり切る」か

もちろん、どこの高校に進学したとしても、目標を見失えば実りの少ない3年間になるリスクは常にあります。それは超進学校であっても、私立高校であっても同じです。


大切なのは、「どこの制服を着るか」以上に、「その場所でどう目標を持ち、時間を使うか」。


自分で選び、そこでやり切る。その経験こそが、卒業後の自己肯定感に繋がっていくのだと感じています。数字や評判という「外側の評価」に振り回されすぎず、お子様が「ここで頑張りたい」と思える環境かどうかを大切にしてあげてください。


今年、高校へ進学する皆さんを、心から応援しています!


 
 

小学校で英語が教科になって数年。

「早く始めているのに、思ったほど伸びていないのでは?」と感じたことはありませんか。


2026年3月22日の読売新聞朝刊では、中学生の英語力低下が取り上げられました。


この記事では、そのデータをもとに、今の学校英語で何が起きているのかをシンプルに解説します。


Q1: 中学生の英語の成績は上がっているのではないのですか?


実は、全く上がっていません。


【図①:教科別平均スコアの推移(中3)】

英語は他教科よりも成績が下がっている
英語は他教科よりも成績が下がっている

出典:読売新聞(2026年3月22日)


このグラフを見ると、

・国語・数学 → ゆるやかな変化

・英語 → はっきりと低下

英語だけ下がり方が大きいことが分かります。



Q2: 英語は、どの力が落ちているのですか?


一部ではなく、全体に影響が出ています。


【図②:英語 各技能の正答率の変化】


英語の各力が著しく低下している
英語の各力が著しく低下している

出典: 読売新聞(2026年3月22日)


・書く → 下がっている

・話す → 不安定

・聞く → 下がる傾向

・読む → バラつきあり

どの分野もできない問題が増えている状態です。



Q3: 特に問題になっているのはどこですか?


一番大きいのは基礎です。



【図③:文法理解・無解答率の変化】

語彙や文法が理解不足、無回答も多い
語彙や文法が理解不足、無回答も多い

出典: 読売新聞(2026年3月22日)


・文法の正答率が低下

・話す問題で「答えられない」人が増加


中学での英語学習が、分からないまま進んでいることが見えてきます。



Q4: なぜこのようなことが起きているのですか?


理由は明らかです。

小学校で英語が5年から教科として導入され会話が増えた一方で、基礎力が全く追いついていないためです。


現在の学校の英語では、

・会話や活動は増えている

・文法や単語の定着がとても弱い

このズレが、結果に表れています。



Q5: 子どもたちはどんな状態になっているのですか?


よく見られるのは、

・なんとなく意味は分かる

・なんとなく話せる

一方で、

・正しく書けない

・自分で説明できない


2022年度からのカリキュラムで学んでいる中学生たちは、「なんとなく分かる」で理解が止まってしまう状態がとても多いです。


メルク英語教室でも、最近中学生からのご入会でIやyouの意味すら明確でないお子さんがいたのには、衝撃を覚えました。


Q5: では、これから何が大切ですか?


基礎と実践のバランスです。


・文法や単語をしっかり理解する

・実際に使って定着させる


この両方がそろって、英語は伸びていきます。しかし、今の中学校では、中一のユニット1でビー動詞と一般動詞の平常、文から否定文疑問文を復讐として扱うほど、あっという間に基礎もなく授業が終わっていくのです。


Q6: 学校の英語だけで大丈夫なのでしょうか?


小学校から英語を学ぶこと自体は、とても意味があります。

ただし、 基礎があいまいなまま進むと、その後が伸びにくくなります。


そのため、

・分からないところをそのままにしない

・繰り返して定着させる

こうした積み重ねが重要になります。


まとめ


今回の記事から分かるのは、2022年度からのカリキュラムで学んでいる中学生の英語力は、全国的に基礎が弱くなっており、このまま進むと英語は伸びにくいということです。


そして逆に言えば、基礎をしっかりと積み上げれば、伸びやすくなります。



教室として大切にしていること


英語は、理解してから使うことで定着します。


そのため、

・文法や語彙をあいまいにしない

・そのうえで使う練習をする

・繰り返して定着させる

この流れを大切にしています。


派手な方法ではありませんが、こうした積み重ねがあとから大きな差になります。


もし今回の内容に少しでも共感していただけた方は、実際の学習環境もご覧いただければと思います。


長野県松本市で、英語や読解力を大切にした指導を行っています。一人ひとりのペースに合わせた学びを重視しています。


体験やご相談については、こちらからご確認いただけます。


 
 

子どもに「将来何になりたい?」と聞いたことはありませんか。多くの大人が自然にする質問ですが、子どもにとっては意外と難しい問いでもあります。

中学生や高校生の多くは、まだ広い世界を十分に知らないからです。


「将来何になりたい?」という質問

例えば、中学生の子どもにこう質問したとします。

「将来、何になりたい?」

大人は何気なく聞いているかもしれません。しかし、この質問は子どもにとって意外と過酷な問いになることがあります。

子どもはまだ世界のほんの一部しか知らないからです。

多くの子どもたちは、学校、家庭、習い事などを中心に生活しています。日常の活動範囲は広く見ても半径数キロから10キロほどです。

その中で出会う大人の職業も限られています。そんな状態で「将来の仕事」を考えるのですから、答えに迷うのは自然なことかもしれません。


大人が知っている仕事も実は限られている

実は、大人が知っている職業の世界もそれほど広くありません。

医者、看護師、教師、公務員、会社員など、身近な仕事が中心になりがちです。しかし社会には、それ以外にも多くの役割があります。

例えば人の命を守る仕事でも、

消防士、山岳救助隊、自衛隊、医療研究者、災害対策に関わる技術者など、さまざまな形があります。

子どもたちが将来関わる世界は、大人が思っているよりもずっと広いものです。



子どもの進路はすぐに決まらなくてもよい

中学生や高校生に将来の夢を聞くと、

「まだ分からない」

と答えることも珍しくありません。

しかし、それは決して悪いことではありません。

本を読む。人の話を聞く。新しい場所に行く。さまざまな経験をする。

そうした積み重ねの中で、少しずつ興味や関心が見えてくることがあります。

子どもの進路や将来の仕事は、最初から決まっているものではなく、経験の中で見えてくることもあります。



子育てには少しの余白が必要になる

子どもの将来を考えると、保護者は不安になることがあります。

特に、「自分はもっと勉強しておけばよかった」と感じている人ほど、子どもには同じ思いをしてほしくないと考えるかもしれません。

その気持ちは自然なものです。

しかし、進路を早く決めることだけが大切とは限りません。

子育てでは、すべてを計画で埋める必要はありません。少しの余白を残しておくことで、子どもはその中で自分の興味を見つけていきます。

子どもの未来は、大人が思うよりもずっと広い。
子どもの未来は、大人が思うよりもずっと広い。

「ギャップイヤー」という考え方

欧米などでは、進学や就職の前にあえて期間を空け、旅やボランティア、インターンシップなどを経験する「ギャップイヤー」という文化があります。

これは単なるお休みというよりも、一度立ち止まって広い世界に触れてみることで、自分が本当に大切にしたいことを見つけるための、前向きな「余白」の時間と言えるかもしれません。

日本でも、少しずつこうした考え方が広まりつつあります。

「早く決めなければならない」というプレッシャーから一度解放され、自分を見つめ直す。そんな遠回りのような時間が、結果として、自分らしい納得のいく進路選びにつながっていくきっかけになるようです。


春休みは世界を広げるきっかけになる

春休みのようなまとまった時間は、子どもが世界を広げるよい機会になるかもしれません。

旅に出かける。遠くの友人に会いに行く。行ったことのない場所を訪れてみる。

大きなことをする必要はありません。

近くのお城や寺を訪れてみる。美術館や博物館に行ってみる。少し遠くの街へ買い物に行ってみる。

そんな小さな経験でも、子どもにとっては新しい世界との出会いになります。

子育てには、少しの余白があってもよいのかもしれません。その余白が、子どもたちの未来を静かに広げていきます。

 
 
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