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 こんにちは。メルク英語教室の林です。

「大学入試って、どの学校もだいたい同じ科目じゃないの?」

 そう思っている保護者の方、実はそれが大きな落とし穴なんです。

 

松本市の中高生、保護者が知っておきたい大学入試科目について
行ってみたい大学を調べよう

志望校が変わるだけで、必要な科目・配点・勉強の重点がガラッと変わります。早い段階で「どこをめざすか」を意識するだけで、限られた時間の使い方が劇的に変わります。今回は実際の大学入試データをもとに、わかりやすく解説します。


  


■ まず「入試科目」ってそもそも何?中学生にもわかる基本

 

国公立大学に入るためには、主に2つのステップがあります。

 

ひとつ目は全国共通で受ける「共通テスト」(昔でいうセンター試験)、ふたつ目は各大学が独自に実施する「個別(2次)試験」です。私立大学の多くは独自の「個別学力試験」のみで合否を決めます。

 

【共通テストとは?】

毎年1月に全国一斉で行われる試験です。国語・数学・英語・理科・地歴公民・情報など、幅広い科目が出題されます。国公立大学の受験には、ほぼ必須の試験です。

 

さらに重要なのが、大学・学部によってどの科目を課すか、何点満点かがまったく異なる点です。同じ「理系」でも、数学の配点が3倍になる大学もあれば、英語や国語が重視される大学もある。

 

だから、「どこを受けるか」によって、毎日の勉強の重点を変えなければなりません。

 

 

■ 3校を徹底比較!こんなにも違う入試科目

 

今回は、長野県出身者にとって身近な信州大学(工学部・応用化学)、全国トップを目指す東京大学(工学部・理科一類)、首都圏の有力私立・明治大学(経営学部)の3校を比べてみましょう。

 

データは旺文社の入試情報サービス「パスナビ」をもとにしています。

 

 

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【1】信州大学 工学部(応用化学・環境エネルギー材料)前期

  国立 長野県

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◎ 共通テスト(700点満点)

・国語 100点

・数学ⅠA・数ⅡBC 150点

・理科2科目(物理・化学・生物・地学から2つ) 150点

・英語(リスニング含む) 200点

・情報Ⅰ 50点

・地歴・公民から1科目 50点

 

◎ 個別(2次)試験(590点満点)

・数学(数Ⅰ〜数Ⅲ・数C) 280点

・理科(物理基礎・物理 または 化学基礎・化学から1つ) 280点

・調査書 30点

 

2次試験の比率:46%

 

▶ 信州大学の入試科目詳細はこちら(パスナビ)

 

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【2】東京大学 工学部(理科一類・二類)前期

  国立 東京都

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◎ 共通テスト(合計1000点満点→110点に換算して使用)

・国語 200点

・数学ⅠA・数ⅡBC 200点

・理科2科目(物理・化学・生物・地学から2つ) 200点

・英語 200点(リーディング140点・リスニング60点に換算)

・情報Ⅰ 100点

・地歴・公民から1科目 100点

※合計1000点を110点満点に換算して利用


◎ 個別(2次)試験(440点満点)


・国語(現代文・古典) 80点

・数学(数Ⅰ〜数Ⅲ・数C) 120点

・理科(物理・化学・生物・地学から2科目) 120点

・英語(4技能・音声テストあり) 120点

2次試験比率:80%


※共通テスト110点+個別440点=合計550点満点

2次試験の比率:80%

 

▶ 東京大学工学部の入試科目詳細はこちら(パスナビ)

 

 

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【3】明治大学 経営学部(全学部3科目方式)

  私立 東京都

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◎ 個別学力試験(350点満点)

・国語(言語文化・漢文を除く) 100点

・英語(英コミⅠ〜Ⅲ・論理表現Ⅰ〜Ⅲ) 150点

・地歴・公民・数学から1科目 100点

 

◎ 共通テスト:なし(独自試験のみ)

・理科:不要!

・情報Ⅰ:不要!

・英語の配点が特に高め

 

※共通テスト利用方式も別途あり

 

▶ 明治大学の入試科目詳細はこちら(パスナビ)

 


「え、こんなに違うの!?」3校の違いをひとことで整理すると

 

◆ 共通テスト

 信州大(工):必要(700点満点)

 東大(工) :必要(110点換算)

 明治大(経営):不要(独自試験のみ、ただし共通テスト利用方式もあり)

 

◆ 理科

 信州大(工):必要・2科目

 東大(工) :必要・2科目

 明治大(経営):不要!

 

◆ 数学

 信州大(工):数Ⅲ・数Cまで必要

 東大(工) :数Ⅲ・数Cまで必要

 明治大(経営):選択(地歴・公民でも代替可)

 

◆ 国語

 信州大(工):共通テストのみ(100点)

 東大(工) :2次試験でも必須(古典含む)

 明治大(経営):現代文のみ・漢文不要

 

◆ 英語の比重

 信州大(工):共テで200点

 東大(工) :共テ+2次で計240点分

 明治大(経営):150点(最重要科目)

 

◆ 情報Ⅰ

 信州大(工):必要(50点)

 東大(工) :必要(100点)

 明治大(経営):不要

 

 

【ポイント】

 明治大学経営学部を目指すなら、理科をほとんど勉強しなくてもよいかもしれません。その分、英語に力を入れるほうが合格への近道です。

 

一方、東大工学部は2次試験の比率が80%と非常に高く、共通テストより個別試験の対策がカギ。数学・英語・国語・理科すべてで高いレベルが求められます。

 

信州大学工学部は地元の国立大学として根強い人気がありますが、数学は数Ⅲ・数Cまで必要です。理系に進む場合は早めから数学の土台をしっかり作ることが大切です。

 

 ■ 早めに志望校を意識するだけで、勉強の「質」が変わる!

 

早めに高校や大学の進路について考えて備えよう
進路について早めに話し合いましょう

「まだ中学生なのに志望校なんて決めなくていいんじゃないの?」そう思う方もいるかもしれません。でも、方向性だけでも早めに持つことは大きな意味があります。

 

【理由1】理系・文系の選択が高1・高2で確定する

「数学をどこまでやるか」「理科を何科目取るか」が早めに決まります。中学のうちからおおよその方向性を持つと、選択を後悔しにくくなります。

 

【理由2】英語は長期投資の科目

どの大学・学部でも英語は必要で、配点も高めです。早くから継続的に鍛えることが得点アップの近道です。

 

【理由3】情報Ⅰ(プログラミング・データ活用)が必須になった

2025年から共通テストに正式導入されました。国公立を目指すなら避けられない科目です。AIやプログラミングへの興味を早めに育てておくことが有利になります。

 

【理由4】具体的な目標がモチベーションになる

「あの大学に行きたい」というイメージが、日々の勉強の原動力になります。

 

 

【注意:ChatGPTやAIを使った受験情報収集について】

最近は「AIに大学入試を聞く」という中学生・高校生も増えています。ただしAIの情報は最新でない場合があります。科目・配点などの正確な情報は、必ずパスナビなどの公式情報サービスや、各大学の公式サイトで確認しましょう。

 

■ ⚠️「科目を絞る」前に要注意!内申点と推薦入試のこと

 

保護者の方、受験生はこちらも見落とさないでください。

 

「志望校に合わせて科目を絞ろう」という話をしましたが、特に中学生の段階では注意が必要です。

 

高校・大学には「推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)」という入試方式があります。この推薦入試を受けるためには、全教科にわたる「内申点(成績評定)」が一定以上必要なことが多いのです。

 

つまり、「数学が得意だから数学と英語だけ頑張ればいい」と考えて国語や社会を手を抜いてしまうと、内申点が下がり、推薦の対象外になってしまう可能性があります。

 

✅ 中学生のうちは「全教科まんべんなく」が基本戦略です。

✅ 苦手科目をつくらないことが、将来の選択肢を広げます。

 

また近年は、面接・小論文・資格・活動実績などで評価する「総合型選抜(旧AO入試)」も増えており、大学入試は学力試験だけではなくなっています。学校での授業態度・部活動・ボランティア・検定取得なども、入試に影響する時代になっています。

 

推薦入試・総合型選抜の詳しい仕組みや対策については、次のブログ記事で詳しく解説予定です。ぜひ楽しみにしていてください!


 

 ■ 今すぐできる!入試科目を「自分で調べる」方法

 

「うちの子が興味を持っている大学・学部の入試科目を調べたい」という方は、旺文社が運営する無料サービス「パスナビ」がとても便利です。

 

手順2:気になる大学名を検索(例:「信州大学」「長野大学」など)

手順3:学部・学科を選んで「入試科目配点」タブをクリック

手順4:共通テスト・個別試験の科目と点数を確認する

手順5:「この科目を得意にするには何をすべきか」を塾や先生と一緒に考える

 

▶ パスナビで志望校の入試科目を調べる

 

■ まとめ:受験戦略は「知ること」から始まる

 

✅ 大学・学部によって必要な科目と配点はまったく異なる

✅ 例えば信州大(工)・東大(工)は理科・数学が必須、明治大(経営)は理科不要

✅ 早めに志望の方向性を持つだけで勉強の質が変わる

✅ ただし中学生は全教科まんべんなく!内申点が推薦入試のカギになる

✅ 入試科目の調査にはパスナビが便利・無料で使える

 

長野県松本市・塩尻市、安曇野市エリアの保護者の方、ぜひ一度お子さんと一緒に「行ってみたい大学・学部の入試科目」を調べてみてください。具体的なゴールを持つことが、勉強のモチベーションを上げる一番の近道です。

 

ご質問・ご相談は、ぜひ塾・教室スタッフまでお気軽にどうぞ。

次回は「推薦入試・総合型選抜」について詳しく解説します。お楽しみに!


教室のへのお問い合わせはこちらからどうぞ。

 





メルク英語教室・メルクプログラミング教室・メルク個別教室(小・中・高)・メルク韓国語教室
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こんにちは。長野県松本市のメルク英語教室・個別教室・プログラミング教室の林です。


最近、小学生の学力や学習への取り組み方について、教室の現場でも肌で感じることが増えてきました。「以前の子どもたちと、何かが違う気がする……」という感覚は、日々子どもたちと向き合う先生や保護者の皆様も、薄々持ち始めているのではないでしょうか。

その背景には、単純な「子どもたちの勉強不足」ではなく、社会や教育環境全体の変化が深く関わっています。今回は、その要因を一つひとつ整理し、いま私たち大人にできることを考えてみたいと思います。


1. 宿題がなくなった小学校では、学力格差が広がっている

ここ数年で、宿題を出さない、あるいは大幅に減らす方針の小学校が増えています。「自主性を育てる」「家庭の事情に配慮する」という意図はよくわかります。しかし現実として、自分から学習計画を立てて机に向かえる小学生はごく少数です。

先日、松本市東部から算数の体験に来た5年生のお子さんが、小数点の掛け算にひどく苦労していました。原因はすぐわかりました。学校の授業で一度習っただけで、その後まったく練習していなかったのです。

「わかった」と「できる」は別物です。計算や漢字は、何度も繰り返すことで初めて脳に定着します。

宿題という「外からの習慣づけ」がなくなったとき、家庭での学習時間はどうなったか。教室に来る子どもたちを見ていると、その差ははっきりしています。毎日少しでも勉強する習慣を持つ子と、まったく持たない子の二極化が、以前より急速に進んでいると感じます。


2. 「家庭学習は家庭で」がもたらす格差

学校が家庭学習を各家庭に任せるようになったことで、保護者の関わり方や環境の違いが、そのまま学力差につながりやすい構造になっています。

しかしこれは、保護者の皆様の意識や努力の問題ではありません。共働き世帯が増え、日々の生活を送るだけでも忙しいなか、毎日つきっきりで勉強を見るのは物理的に困難です。サポートの仕組み自体が「家庭任せ」に変わってしまったことこそが、格差を広げているのです。

だからこそ、学校と家庭だけでなく、私たちのような「教室」という第3の場が連携して子どもたちの学びを支える仕組みが、今の時代には必要だと強く感じています。


3. コロナ禍が子どもたちの学習習慣に残したもの

コロナ禍の数年間、学校の休校や授業の短縮、行事の中止が相次ぎました。あの時期に幼児期や小学校低学年を過ごした子どもたちは、いま高学年や中学生を迎えています。

「読む・書く・計算する」という基礎的な学習リズムが形成される最も大切な時期に、生活の土台が大きく乱れました。そのときに生じたわずかな遅れや「学習の穴」が、学年が上がるにつれて少しずつ表面化してきています。

コロナ禍という非日常は去りましたが、子どもたちの学力形成への影響は、現在進行形でまだ続いていると現場の感覚として強く実感しています。

この感覚はデータにも裏付けられています。国立教育政策研究所が2025年7月に公表した令和7年度全国学力・学習状況調査では、小・中学生の学校外での勉強時間が令和3年度以降、平日・休日ともに減少傾向にあることが明らかになっています。現場の肌感覚と、調査結果は一致しています。

(出典:国立教育政策研究所 令和7年度全国学力・学習状況調査 https://www.nier.go.jp/25chousakekkahoukoku/


4. 「繰り返し学習」が軽視されるようになった矛盾

現在の教育では「考える力を育てる」「暗記より思考力」という流れが主流です。方向性としては正しいのですが、ここで見落とされがちなのが、思考力の土台には、繰り返しによって身につけた基礎知識が必要」だということです。

九九を瞬時に答えられない子は、文章題をじっくり考える前に計算の途中で力尽きてしまいます。漢字が書けない子は、作文で自分の意見を表現することより、漢字を思い出すことに脳のエネルギーを使ってしまいます。

繰り返し練習は、決して「つまらない単純作業」ではありません。自由に思考を羽ばたかせるための、頑丈な土台づくりです。 この視点を、いま一度見直す時期に来ています。


5. 「速く処理できる」のに、じっくり考えられない脳

今の子どもたちは、動画の早送りやSNSのスクロールなど、膨大な情報をスピード処理することには長けています。しかしそれは、画面から流れてくる情報を「受け取る速さ」であって、自ら「考える速さ」ではありません。

学習に求められるのは、「読んで理解して、自分の言葉で表現する」という能動的な力です。これは日常のスクリーン生活ではなかなか育ちません。速くて強い刺激に慣れた脳は、じっくり活字を読んで考える時間を「退屈なもの」と感じやすくなってしまいます。


6. 体を動かす経験の減少と、学びの「受け身化」

放課後に外で遊ぶ機会が減り、ゲームや動画に時間を使う子どもが増えたことで、体を動かす機会は年々減っています。

実は「体を動かすこと」は、脳の活性化と深く結びついています。自分の手を動かして鉛筆で書く、声に出して音読する、試行錯誤しながら何かを作る。こうした「身体を伴う学び」こそが、記憶の定着や集中力を強力に支えています

常に完成されたコンテンツを画面越しに「受け取るだけ」の生活が続くと、頭も体も受け身になってしまいます。学力に差がつきやすくなっている背景には、この「能動的に動く経験の欠如」も確実に影響しています。


まとめ:小学生の時期に「能動的な習慣」を取り戻すために

学力差が広がる要因は、社会・学校・家庭・時代の変化が複雑に絡み合っています。だからこそ「これをやれば一発解決」という特効薬はありません。

ただ、一つだけ確実に言えることがあります。小学生の時期に「自分で考えて、手を動かして、声に出す」という能動的な習慣を作ること。これこそが、すべての学びの出発点になるということです。

ご家庭で難しいことをする必要はありません。毎日少しの音読、毎日少しの計算、そして今日あったことの楽しいおしゃべり。そんな小さな積み重ねが、これからの時代を生き抜く本当の知性を育てます。


【メルク英語教室・個別教室・プログラミング教室より】

ご家庭でできることには限りがあります。学校・家庭・教室がそれぞれの役割を担いながら、子どもたちの学びを一緒に支えていけたらと思っています。


【個別教室】 では、学校で省かれがちな「わかった」を「できる」に変えるための、徹底的な繰り返し学習と基礎固めをサポートします。

個別教室
個別教室

【英語教室】 では、声に出して読む「音読」を通じて、脳をフル活動させる能動的な英語力を養います。

英語教室
英語教室


【プログラミング教室】 では、画面を見るだけの受け身の姿勢から脱却し、「自ら試行錯誤して形にする」能動性を育てます。


「うちの子、このままで大丈夫かな」と感じたとき、ひとりで抱え込まずに、ぜひ一度ご相談ください。松本市(鎌田・島内・島立・田川エリアなど)で、お子さんの学びに寄り添える場所でありたいと思っています。



 
 


メルク英語教室の林英美です。

今日は、「子供たちがなぜ学校を休むのか」一緒に考えてみたいと思います。

突然ですが、皆さんは「このままひきこもってしまいたい」と思ったことがありますか?私自身はひきこもりの経験はなく、小学1年から高校3年までの12年間、皆勤賞の健康優良児でした。それでも学校に行くのが嫌で辛いなと思ったことはありました。社会人になり、職場で嫌なことがあったり、仕事でミスをすると、仕事に行くのが嫌になったり、同僚と会うのが辛いなんて経験をされた方もいると思います。


私は若い頃、中学校で3年間勤務し、今でも大学で非常勤講師として授業を受け持っています。中学でも大学でも、ふとしたことがきっかけで、学校に来られなくなる方がいます。今日は、だれでもふとしたことがきっかけで、学校を休みがちになる場合があることを一緒に考えたいと思います。

(※こちらでご紹介する事例は、個人が特定されないよう内容の一部を変更しています。)


1.家庭の事情による心身の衰弱

私が中学校教員時代に受け持っていた生徒で、学校を休みがちになっていたお子さんがいました。ある日、校外学習の帰り道を歩いていると、その生徒さんが急に倒れこんでしまいました。その後どうにか学校まで歩いて帰り、学校に到着して話を聞いてみたところ、「両親が毎日けんかをして辛い」という話でした。その後この生徒さんは祖父母と生活することになりました。家庭のトラブルから離れて生活できるようになってからは、全く休むことなく学校に通えるようになり、辛い局面を乗り越えることができました。お子さんの不調の背景に、家庭の環境が関わっていることもあります。生活する環境を変えることが、回復のきっかけになる場合があるようです。


2.勉強と試験結果によるストレス

中学や高校では、中間・期末などの定期テストを通じて、学習の習熟度合いを測るようになります。テストは学習者たちの優劣を測るものではありません。個々の学習者の「理解度を測るための評価」にすぎません。決して他者と比べるための数値ではありませんが、テスト結果が返されると、すごく落ち込んでしまい、勉強が嫌になり学校へ行けなくなってしまうお子さんもいます。


(1)中学生の場合

初めての定期テストを受けた5月から6月頃に、学校に行くのが辛くなってしまうケースがあるので、注意が必要です。「元気がない」「口数が少なくなった」など、普段と違うような様子があれば、責めることなくお話を聞いてみると良いです。本人が何も話さない場合は、学校の先生に相談をしてみるのも良いです。大人が大したことではないと思っていても、本人は勉強のことでとても悩んでいる場合があります。


(2)高校生の場合

特に難関校に進学したお子さんで、多いケースを紹介します。初めての定期考査で、今までにとったことのない点数や順位を目にして、ショックを受ける高校生がいます。中学までは学年上位が当たり前だったのに、高校での成績が平均点以下だったり、順位が下がってしまったりすることは、学力の拮抗する人たちが集まる高校ではよくあることです。それでも、順位が低いことに愕然として、気力を失ってしまう方がいます。そんな時は、結果に対して責めることなく、次回の定期考査に向けた対策を一緒に考えたり、場合によっては先輩たちの経験を聞いてみるよう促したりすると良いです。


3.交友関係によるトラブル

小学生から高校生まで、クラス替えやお友達の引っ越しがきっかけで、交友関係が大きく変わるのが、4月からの新学期です。「相手はいじめているつもりはなくても、はっきりとものを言われて言い返せない」「クラスの中にグループができてしまって、なかなか仲間に加われない」など、さまざまな人間関係で、学校に行くのが嫌になってしまう場合があります。これは、とある中学生の保護者からうかがったお話です。中学になり、思春期でまったく話さなくなってしまったのかと思っていたそうです。ところがある日、お子さんの体にあざがあることに気づき、驚いて話を聞いてみたところ、「学校で先輩にいじめられていた」ことが分かったそうです。変化のサインがあった時は、身近にいる保護者が見逃さないようにしたいものです。


4.大学生に多いトラブル

私自身の経験としては、大学に入学してから学校に来られなくなった大学生もいました。原因は様々ですが、いくつかの例を挙げます。


(1)将来に対する漠然とした不安

大学に進学すると「私は大学卒業後、何になるんだろう」といった、漠然とした不安を抱えている方がいます。特に季節の変わり目である秋頃から冬に、気持ちが沈んで学校に通えなくなってしまう方もいます。適切な治療を受けたり休学したりすることで回復した方を知っていますが、学校になかなか通えず辞めてしまうケースもあります。


(2)病気の発症

・健康診断を通じて大きな病気が見つかり、手術や投薬治療を受けなくてはならない方もいます。

・一人暮らしを始めて生活リズムや食生活が乱れ、体調を崩す方もいます。 また、不規則的な食生活が原因で知らぬうちに虚弱体質となり「気胸」等の病気になる方も度々います。


・何らかの要因で、双極性障害やうつ病、統合失調症などの精神疾患を発症する方もいます。


精神疾患が原因で、長い間学校に通えなくなってしまった大学生がいました。

その方は、ご家族のサポートを受けながら治療と大学生活を続け、最終的には卒業して希望の進路に進むことができました。

一人で抱え込まず、周囲のサポートと適切な治療につながることが、何よりも大切です。


5.拒食症など危険な病気もある

思春期特有のダイエットや見た目のコンプレックスから、ご飯を食べなくなり、拒食症などを発症してしまう場合もあります。拒食症は命を脅かす恐ろしい病気でもあります。芸能人へのあこがれが引き金となる場合や、ダンスやバレエなど、外見を重視するような活動をしている方に多く見られる病気ですので、これも注意が必要です。


なお、心や体の不調が続く場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、早めに医療機関(小児科、児童精神科、思春期外来など)に相談することをおすすめします。


6.困ったときの相談先

「うちの子も当てはまるかも」と感じた時は、どうか一人で抱え込まないでください。まずは、担任の先生や学校カウンセラーなど、身近なところに話してみるのが一番です。


また、保護者自身も悩みを抱え込まず、同じ年代の子供を持つ保護者に相談してみるのもいいです。


プライバシーが気になる場合は、自治体の教育相談窓口や保健センター等に相談してみるのもいいでしょう。


最後に

成長期の子供たちはとても多感で、思いもよらない出来事が原因で、心や体のバランスを崩すことがあります。特に環境の変化が大きい4月から6月まで、また夏休み明けの新学期、季節の変わり目などは注意が必要です。子どもの成長は、親にとっても初めての事ばかりですが、お子様の変化のサインを見逃さないようにしましょう。


また、大人たちも同じく、春からの環境の変化が大きかったことで、体調を崩す場合があります。皆様もお互いに無理をせず、自己管理に気を付けましょう。


 
 
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