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大学教育における英語の位置付け

「外国語」から「授業で使う言語」へ

今年度の保護者懇談会が、ほぼ一巡しました。その中で、大学教育と英語の関係について考えさせられる場面が何度もありました。

先日、関西方面の大学説明会に参加された高1保護者の方から、次のようなお話を伺いました。

今後は大学で英語による講義が増えるので、IELTSやTOEFLの勉強をしておいてください。

この一言には、今の大学が置かれている状況が凝縮されているように感じます。


なぜ、大学で英語の講義が増えるのか

背景には、いくつかの要因が重なっています。

  • 少子化により、留学生の受け入れが拡大していること

  • 大学が教育の質を保ち、国際的な評価や地位を維持・向上させようとしていること

  • 研究・教育の現場で、英語が共通言語として機能しやすいこと

これらを踏まえると、英語は「外国語」というより、授業を成立させるために必要な言語として位置付けられつつあります。

つまり、英語は「科目」から「学ぶための道具」へ変わり始めているのだと思います。


大学教育で、英語で学ぶ環境はすでに始まっている

英語による大学教育は、遠い未来の話ではありません。

例えば、千葉大学や長野県立大学では、学科単位で一定期間留学に出かけるプログラムがあります。また、私が信州大学で担当している講義にも交換留学生が在籍しており、授業は英語で行われています。

ここで起きているのは、「英語ができる学生が得をする」という話ではなく、英語が授業の前提になっていくという変化です。


「必須条件」としての英語:東京大学の新学部の例

さらに象徴的なのが、2027年度に開講予定の東京大学のデザイン学部です。この学部では、英語力が必須条件として求められています(大学の発表資料でも明示されています)。

ここで注目したいのは、英語が「あると有利」ではなく、「なければスタートできない」領域が出てきているという点です。


東京大学赤門の外観


英語が「教養」になる家庭、「負担」になる家庭

同じ高校生でも、英語の受け止め方には差が出ます。

今年、本教室に通っている高1生たちを見ていると、英語を「教養として楽しむ」素地を持っている生徒が少なくありません。子どもの頃から、英語にのびのび触れられる環境にいたことが大きいのだと思います。

一方で、英語が「点数のための作業」になってしまうと、大学以降の学びに接続しにくくなります。英語が必要になるタイミングで、急に負担として重くのしかかるからです。


保護者の教育方針が、選択肢を増やす

英語に限らず、子どもの選択肢は「才能」だけで決まるものではありません。どんな環境に触れ、何を当たり前にしてきたかで、将来の見え方が変わります。

特にこれからは、英語は「受験のため」だけではなく、大学で学ぶための言語として扱われる場面が増えていきます。

だからこそ、家庭としては次のように捉えておくと安心です。

  • 英語は「科目」でもあるが、「学びの道具」でもある

  • 早くから触れているほど、将来の負担が軽くなる

  • 英語は進路の選択肢そのものに直結しやすい

保護者の教育方針ひとつで、子どもたちの選択肢は大きく広がります。英語を「教養として育てる」視点は、これからますます価値を持つと感じています。


英語は、将来どこかで「必要になる力」というより、学びの選択肢を静かに広げていく言語になりつつあります。

どの段階で、どのように関わるか。その考え方は、家庭ごとに異なっていて構いません。

本教室では、そうしたご家庭の判断を尊重しながら、学びを支える場所でありたいと考えています。



※ 東京大学デザイン学部(2027年度開設予定)に関する情報は、東京大学の公式発表資料に基づいています。


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