変わる長野県中信地区の高校入試
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変わる長野県中信地区の高校入試

更新日:2023年1月31日



一昨日は、長野県高校入試の合格発表がありました。


中信地区トップ校である松本深志高校の倍率が0.99を切ったことには、皆さん衝撃を覚えたと思います。


また南信地区の諏訪聖陵高校も、0.99と定員が割れました。


この2校では今年再募集がありました。


北信地区の長野高校が1.15、東信地区の上田高校 1.09と全体的に進学校と言われている学校は、倍率が低めです。


倍率低迷の要因は大きく三つあると分析しています。


① 2019年末以降現在まで、新型コロナウィルスの出現により、中学3年間を通じて学校に通えなかった日数が近年になく最長だった学年です。そのため、個々の単元学習に、充分な時間を費やすことができず、学習習慣もなかなか培うことが出来ませんでした。


②2021年度から、難易度のアップした新教科書の導入により、中3で本来学ぶはずの一部単元が下の学年に移行したり等、教育現場は混乱し生徒の学力形成にも大きな影響を与えました。


・英語の教科書は特に難易度が増し、成績の超二極化が進みました。定期テストで10点さえ取れない生徒も増えています。


・学習内容の多い数学や国語でも、学校教育では十分に消化しきれず、理解不足のまま受験期を迎えた受験生が続出しました。


③ 中南信には、私立高校が比較的多くあり、進学実績からも支持を得ています。


中信地区にある都市大附属塩尻高校は、中南信地域の中学生が多く受験します。校内放課後指導が充実していて、学校の進学実績も年々上がり、昨年度には名古屋大学合格もありました。


また秀峰が中高一貫校として実績を出しており、中学からエスカレーター方式で学びたい中学生は、高校受験の枠から外れています。


その他、松商、松本国際、第一など、私立各校は特色ある教育方針を打ち出しており、公立高校より面倒見も良いことから、私立に子供を託したい保護者も増えています。


茅野市にある東海大学附属高校は、将来東海大学への進学がしやすく、医学部から海洋学部など、幅広く学べる学部があるのも魅力です。


加えて、私立高校の無償化または減免措置が、私立人気に拍車をかけています。


【結論】

深志高校や諏訪清陵に本来なら行きたかった受験生たちが、(1)コロナ禍の中学生活、(2)教科書改訂のダブルパンチを受けて、十分な学力を培うことが出来ず、泣く泣く志望校を下げることになっています。


また、(3)面倒見の良い私立高校への進学を選択する中学生も多く、公立高校離れが見受けられます。

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公立に限らず、特色のある私立も増えたことは、子供たちにとって選択肢が増えることですし、授業料が実質無償化になる制度もあり歓迎できるものだと思います。


以前から少子化の影響もあり、すでに多くの長野県公立高校で志願倍率が定員に達っしておらず、高校再編成の議論は進むと思います。


また、少子化の時代に、特色を打ち出せない私立高校も、今後淘汰されていくでしょう。


自分の居場所があり、無理をしたり、苦しい思いをしてまで悩みながら勉強したりして涙するよりも、自分に合った場所で大人のサポートも受けながら、安心安全に学びたいと感じている子供たちが増えているとも思います。


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