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英語は英語で!

更新日:2023年1月31日


なかなかこの考え方の浸透しないのが、日本の中学高校、特に公立学校での英語教育です。


英語表現という教科書を見たことがありますか?写真は桐原書店が出版しているEMPOWERという教科書で、全国の多くの高校で採用されている教科書です。


実は、私は日本の公立学校に通ったことがないので、20年くらい前に初めて英語表現の教科書を見た時は、びっくり!しました。


「なんだ、この電話帳みたいな教科書!」

内容がなくて、文法の索引がずーっと続きます。教科書の後半では、自由英作文にとりくめるような内容になっているのですが、松本市内の近隣進学校ではあまりその部分を活用していません。(ほぼ無視している学校もあります。)


そんな訳で、なかなか文法重視な教科書が消えません。公立高校のテストは文法重視、単語重視、日本語の解釈もいまだにすごく重視しています。


例えば松本市内の高校を見てみるとしましょう。


蟻ヶ崎高校の定期テストは、まだまだ英文和訳の問題も出ますし、日本語を英単語に書くような超アナログな問題もたくさんでます。ネクステージっていう参考書の例文○番から○番暗記とか、暗記力を問う設問がかなりあります。

(すみません。あえて悪いことを書いています。)



県ヶ丘高校は、他校よりもライティングをしたり英語を強化しているようです。探求科の英語と国語の平均点だけみると、深志高校の平均点を上回っています。探求科が始まる前は、英語科があったため「英語は英語で取り組もう」という方向性は、この辺で一番強いです。とは言うものの、前述の英語表現の試験は、蟻高のように文例の丸暗記問題を出題してきたり、まだまだ検定教科書頼みの評価になっています。英語の課題がかなり多いのも、特徴的です。「夏休みにSDGsの読解テキスト一冊自力で読めよ!」とか。(またまたすみません!あえて悪いことを書いています。)


深志高校は松本で一番の進学校ですが、別段英語力強化に力を入れている印象はありません。「自治」の名の下、学力の向上は個人の学習管理能力に任せているような印象です。(あと、「大学は4年で行きましょう」ってキャッチフレーズ…あれは、もうやめた方が良いと思います。親孝行だから、私立はやめて国公立にしなさいって言う圧力も。)


さて長野県中信地区上位三校の後に紹介するのが、松本国際高校です。こちらは私立であり、国際バカロレア校ですから、英語で教える授業もあり、課題も英文で書いたりなど、英語力の強化を強みにして進学実績も出しています。国際高校は創立からまだまだ日が浅いですが、新しいことを取り入れるスピード感は公立とは100倍違います(言い過ぎ?)しかし、これは私立のなせる技であり、長野県中信地区ではかなりの異端児です。


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ここまでは中信地区にある高校のほんの一面の紹介でした。一言でいうと、公立高校の英語は昭和から教え方が大して変わっていません


翻訳に費やす時間の度合いは減ったかも知れませんが、英文和訳、和文英訳など「日本語が強力に介入する英語学習」です。毎日、新知識の導入に明け暮れています。身につけた英語を運用する時間は皆無です!


だから、例えば香港やマレーシアに住んでいた高校生が、英語のテストで日本語に関わる問題でつまずき、悪い点数を取ることもあるんです。



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話を大学入試に切り替えます。



大学入試に共通テストが導入されてから、2年ですが、リーディングとリスニングの重要度がセンター試験の頃よりもぐっと増し、語彙力の強化は必須です!


アクセント問題、並べ替え問題などは消えました。(個人的には良かった〜と思います。特にアクセント問題は、数ある英単語の中から氷山の一角みたいな英単語のアクセントの知識を測るって、博打のようなものですね!)


共通テストになってから多くの旧帝大では、リスニングの配点に4割を割くようになりました。(その割に、リスニング指導をする進学校はこの辺にはありません!)


リーディングもリスニングも、設問から回答まで、全てが英語となり、「英語は英語で!」考えることが求められています。


しかし、そのような共通テストの要求に答えられる英語力を培うための、学校英語教育を提供しているところが、どのくらいあるでしょうか?


正直、英語を英語で学んだことのない先生たちが現場の多くを占めている中、これまで大学入試制度に縛られた授業運営を培ってきた高校の先生方が、いきなり英語を英語で教えることに順応できないのは当たり前かもしれないです。

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「では、共通テスト対策をどうしているのか?」


そこでこちらの教室では、授業の中で易し目の洋書絵本を活用して英語を英語ですんなり読み下すトレーニングをしたり、英検の長文読解問題を活用して日本語の介入がない英文読解力を身につけたり等、「英語は英語で!」考え読めるように、読解力の強化を行っています。奈良や京都の多くの私立進学校では、洋書絵本の多読をかなり推進しています。


また毎回90分授業のうち後半30分は、高校での経験が豊富なアメリカ人講師の指導のもと、リスニング、ライティング、スピーキングを強化し、英語を頭の中で日本語に変換することなく、「英語は英語で!」理解し、英語での瞬発力強化を図っています。


学校で配布される教科書の長文読解や、従来通りの文法学習などに多くの時間を割いていると、共通テストには到底太刀打ちできません!


高校で広く使わせている教科書の学習に関しては、全国の高校英語指導者がいろんな資料をネットにあげています。ですからそれをネット時代の教育者も学習者も、うまく活用すればいいのです。



Quizlet等の無料で使える学習アプリをうまく活用すれば、大概の高校英語教科書の単語勉強は、ゲーム感覚でサクッとこなすことができます!単語暗記、構文理解はアプリにお任せで十分です。実際、Quizletを使うことで、高校生たちが楽しみながらクラスで対戦しながら、ゲーム感覚で単語を暗記できて助かっています。(これを学びのゲーミフィケーションと言います。)


英文法に関しては、映像授業が淡々と教えてくれる問題集を活用していますが、これがなかなか生徒には好評です!(ちなみに数学もこのシリーズが好評です。興味のある方は、お問い合わせを。)


限りある時間を効率的に活用するためにも、テクノロジーを利用して、できることは自立学習で身につけてもらいます。


文法理解はもちろん大切なのですが、共通テストに関して言うと、まずは単語を多く知り、時間内に内容を読み取りながら「正しい答えを選べる」ことが何よりも重要です。


特に、長文読解では、動詞と混同しやすい分詞の後置修飾を理解することが重要だと感じています。分詞に限らず、形容詞句の後置修飾も、学習者自身が読み取れるようにする必要があります。


そのため、あらゆる英文を読める力を培う機会を用意しています。Z会のRizeシリーズが気に入って使っています。学校教科書と比較すると初級から語彙レベルも高めで、高校生に「学校教科書の精読に終始したところで、長文読解力は伸びない!」ことを認識してもらうには良い本です。


「いわゆる予備校が行う大学受験対策の英語授業だけでは、共通テストの点数は上がりませんね」と深志高校の既卒生がお話していました。(ちなみに彼の共通テスト英語の得点率は90%以上でした。)本当にその通りですよね!


よっぽど予備校に行くよりも、自学で単語を山ほど覚えた人の方が、共通テストでは有効かと思います。(昨年度、信州大学の工学部を担当したときに、共通テストの勉強のためには単語を山ほど覚えたと話していた学生さんが数多くいました。)


大学受験を目指す高校生こそ、「英語は英語で!」学習してほしいです。そのためには単語を何が何でも知らなくてはなりません!


実際のところ、大学で英語を教えていると、共通テスト導入後から、大学生の英語力がぐっと上がってきています。


大学1年生の段階でTOEIC 700点以上出している学生たちも、以前よりかなり増えました。


(センター試験の頃は、医学部でさえもTOEIC 650点あれば英語力の高い印象でした。)


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大学入試に合格するためには、理系も文系も英語で得点を取れるように準備を早くからして欲しいと思います。


大学に入れば、研究に向かう人は英語で論文を書く機会があるし、就職するひとはTOEIC の点数を提出したり等、英語のできる人材へのニーズはどんどん高まっています!


いつまでも日本語の介入がないと、英語を学べないような学び方一辺倒には警鐘を鳴らしたいです。新知識のインプットだけでなく、流暢に読んで聴き取れて、願わくばスピーキングとライティングもできることを、高校がやらないなら、今こそ英語教室や塾だけでも、本腰を入れて取り組むべきだと思います。


…それと、何よりも楽しく勉強して欲しいですよね!それには結果が伴うように後押ししたいとも思います。


輪転機でテストの印刷をしていたころのか昭和スタイルの学びから脱却し、デジタルネイティブな世代の子供たちに合った英語の学びを、少しでも提供していきたいと思います。


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